-LIVE PAINTING Showcase- “bLack EYE” vol.03
DATE: 2012/05/17(Thu)
入場料: DOOR1,500(+1D500) Open: 19:00
produced by BAKIBAKI × 沖冲.
◆LIVE ( 45min. ×2 )
BAKIBAKI side KAZ /paint × ダブエラ+TERUO/music
沖冲. side 河村康輔 /paint × TOTALCARE (YAMAT+SUNGA+KANAKO)/music
◆TALK BAKIBAKI × 沖冲.
◆halftime show ロックンロールクラウン (a.k.a.マロンチック)
◆USTsupport yealo!
「踊りだす、絵画」
”bLack EYE”は、背景の異なる二人のプロデューサーそれぞれがセレクトしたペインター×ミュージシャンによる、一本45分間のセッションライブ・ショウケースイベントです。
ライブペインティングの「ライブ」性に重点的にスポットライトを照らし、ライブペインティングの再解釈と深化の可能性を探る試みです。
アーティスト/イラストレーター
福岡県出身。日本デザイナー学院を卒業後、
デザイン会社「24KARAT GRAPHICS」、「株式会社carve」に所属し、
広告にたずさわる。
その後、アーティストとして独立。
似顔絵、イラスト、デザイン、壁画、ライブペイントなどで活動。
似顔絵は、クラブイベントを中心に活動を行い、
瞬時に相手の特徴をとらえ5分以内で制作するなど、
他に類をないスタイルで行っている。
尚、壁画によって景色をデザインする壁画制作企画「city gallery」を進行中。
幼い頃から書き続けている絵と、与えてもらった技術で、
人や物、音や場所など、全てを対象にコミュニケーションを続け、
調和する事を目的とした絵や表現で、全てにとっていいものを目指し活動中。
EyeRhyme世代のマイメンであり、アカネ荘時代のシェアメイトでもあるKAZという男はとにかく真っすぐな奴だ。これほど毒の無いクリーンで澄んだ画を描く奴は他に知らないし、ある種ラッセン的な、デパートの階上でオバサマ達が癒しをを求めて観る絵と近いバイブスを感じる時がある。即興似顔絵で慣らした腕前なのか、受け手が嫌がることは決してしない、それでいてしっかり自分の世界感をキープする。そんな線画のファンタジスタ”KAZ”と、under slow jams時代からの朋友”ダブエラ”による45分間のセッションがどのような化学反応を産むのか?またもや眠れぬ夜が続くのであ~る。
1979年広島県生。東京在住。グラフィック・ド・ザイナー、特殊デザイナー他プラス・ワン、コラージュ・アーティスト。 ERECT Magazineアートディレクター。06年、根本敬氏個展『根本敬ほか/入選!ほがらかな毎日』入選。アパレルブランド、「VANDALIZE」Tシャ ツコラボレーション、「NADA.」のグラフィック。様々なライブ、イベント等のフライヤーを手掛ける。季刊誌「TRASH-UP!」に根本敬氏と共作で 実験アート漫画「ソレイユ・ディシプリン」を連載中。Winston Smith、KING JOE、SHOHEI等と共作、美術館、ギャラリー等で個展、グループ展に参加。サンフランシスコでの個展「TOKYO POP!!」を開催する。Winston Smithとのコラボレーション作品集「22Idols」、単独作品集「2ND」を出版。2012年、「大友克洋GENGA展」メイン・ビジュアルを制作。
ボクは毎回、この企画では「“ライブペイント”のバリエーションを提示する事でその可能性を探る」という意図でアーティストのブッキングを考えている。その意味では今回、沖冲.サイドから出演頂くアーティストはまさにうってつけの才能だ。河村康輔。『大友克洋GENGA展』の総合グラフィックを担当した事も記憶に新しい彼は、“グラフィック・ド/ザイナー”を自称する特殊デザイナーでありコラージュ・アーティストである。そんな彼が45分間のライブコラージュに挑む。対する音楽はnoise×club×hardcoreとでも言うべきバンド”TOTALCARE”。破壊的サウンドと構築的コラージュのせめぎ合いをゼヒ!!
Broadcasting live with Ustream
※下記2つの配信を同画面にて閲覧できます。
vol.01 okichu. side
Untitled from YEALO! on Vimeo.
vol.01 BAKIBAKI side
Untitled from YEALO! on Vimeo.
movie by YEALO!
かつて絵画とは、時をフリーズさせ完成されたピースを壁に掛け、鑑賞者はその完結した存在から一方的に
作家の込めたメッセージや社会的テーマを読み解くものであった。
それ故に絵画とは、時とともに歴史に組み込まれ、時が過ぎればそれはかつてあった「当時」を再生する装置としてのみ機能した。
つまり絵画とは、アーティストの手によって描き上げられたその瞬間から過去になった。
ここに二人の絵描きがいる。
ライブペインティングデュオ“DOPPEL”においてそのキャリアをスタートし、パーティシーンにおいて場のバイヴスから得たインスピレーションを画面に定着させる
ライブペインティングを主戦場に、鑑賞者との相互作用の中で様々なスタイルを生み出す絵描き、山尾光平。
無意識に描き出すドローイングを起点に、ファンタジックなペイント、マンガ、キャラクターなどを制作する傍ら、アートスペース“mograg garage”の
ディレクション、アート本制作、トークショーなど直感とアイデアの赴くがまま、様々な提案を発信する絵描き、沖冲.。
このまったく遍歴も作風も異なる二人は、『絵画の可能性』という共通の問題意識へのアンサーとして00年代に異なる二つのパーティを立ち上げた。
山尾光平は『視覚韻/EyeRhyme』を立ち上げ、全国各地で展開しながら、同時多発的に各地で胎動しはじめたライブペイントアーティストたちと独自の
ネットワークを構築し、ライブペインティングシーンという新たな定義を確立する立役者の一人となる。
そこで交わされるコミュニケーションはクラブシーン、グラフィティシーンを巻き込み、自己のアピールやペインティングをショウアップする手段として各人が生み
出したオリジナルのスタイルを、時にぶつけ合い、時に融合するといった形態で、観る者にも分かりやすくエキサイティングなペイントの興奮を伝えていた。
一方、沖冲.は「視聴覚醒室」をテーマに、おもに関西のオリジナリティ溢れるバンドとともにライブドローイングパーティ『bLack 2 bLack』を立ち上げる。
そこでは視覚的なドライブ感を高めるために、複数の絵描きが決められたタイムテーブルに従い交互に絵を描き重ねるというルールを設定し、
部分的に構築されていくドローイングの浸食と破壊を物語的に演出しつつ、一つのカオティックな画面を描き出すことで、時間芸術である音楽との
埋めがたいタイムラグの克服を目指し、絵と音をいかにして同じステージに乗せるか、という実験を繰り返した。
この二つのパーティをオーガナイズいていた山尾光平と沖冲.がお互いのパーティの頭の文字を冠し2012年『bLack EYE』という新たな企画を立ち上げる。
テーマは「Live Painting Showcase」。この企画において我々は、一部その界隈では定着しつつあるライブペイントというエンターテイメントを、より広く一般に提案していきたいと考えている。本企画は毎回、二人が個別にセレクトしたアーティスト×ミュージシャンのタッグによる45分間のライブショウケースによって、絵と音楽の相互作用、
ショウアップされたスキル、アーティストの個性豊かなスタイル、観客の目の前で作品を制作していく描き進め方とハプニングなどといった、ライブペイントによってより際立つ絵画の楽しみ方の一側面をクローズアップし、新たな絵画の鑑賞方法の眼を開くきっかけになればと期待している。
また、参加していただくアーティストにとっても、セレクター二人のトライブの違いが新たな異文化交流を生む場となり、また、ライブペイントにおいて自分がどのような勝負を仕掛けるかといったような、普段の制作では発見することのない新たな可能性を見いだす体験となれば言うことはない。
単一の意味しか持たない文字という記号を組み合わせ、紙に現すことで無限の物語を表現することを日本人は「活字」と呼ぶように、
頭の中のイメージを線や色が有機的に絡まりあうことで絵画が生まれるその瞬間の「活画-ライブペイント-」によってプリミティブな絵画の驚きと喜びを
呼び覚まし、それをさらにショウにまで押し上げることによって巻き起こる絵画を中心としたコミュニケーションの有り様は、かつてあった絵画のそれとはまったく異なる魅力を発光させることだろう。
太古より聖書が唱われはじめたようにそろそろ絵画も踊り出さなければならない。
さあ、ここからはじめよう。
ライブペインティングは観る者の『絵画の可能性』を広げる扉なのだから。